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企画

おそろい【境界のRINNE】

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 澄み切った青空はいつだって、遠くから私たちを優しく包んでいるようで。
 “話がある”と彼から言われ、放課後、真宮桜は一人、屋上へと赴いたのだった。
「…六道くん」
「桜っ…」
 お馴染みの黒ジャージに身を包み、りんねはうつむきがちに呟いた。
「なぁに? 話って──」
「今度の休み、桜は暇か?」
「え…」
 相手の様子を深く窺うのは普段と変わりない。けれど、死神の少年が改まって
そう聞くのはなんだか、仕事以外のことではないだろうか。
「よかったら、俺と一緒に買い物に行かないか。いや…食料や服を揃えるだけじゃ
ない。いつか同じ場所で暮らすために…その…あれだ…」
「いいよ。私たち、付き合ってからずっと…恋人らしいことして来なかったもんね」
「…すまない…どうもそういうのには鈍くてな…」
 逸らした視線があまりに分かりやすくて、自然と桜の頬にも微笑みが零れる。
「でも意外だねぇ。六道くんって、お揃いが好きなの? こないだ私見ちゃったんだ
けど、“あの世のカップルのペアルック”カタログ」
 クラブ棟の一室を、ある日 桜が訪れた際、りんねは不在だったのだが──
ドアの向こうを覗いて真っ先に見えたのが、曰くありげな霊界雑誌という訳だ。
「そ…それは…女子は一般的にそんな傾向があると聞いてな。桜はどうか知らないが、
俺は同じ物を身につけて、浮かれ気分になるのもたまにはいいと思ってる」
「楽しみ。そうと決まれば…ね、どこ行く?」
「まずは…三界商店街かな」
「了解」
 どこか緊張の解けた彼の横顔の可愛らしさと言ったら、なんだろうか。
ふふふ、と口元を緩めた桜はりんねの懐に近づいて、冗談交じりに右腕を絡めてみた。
 約束だよ。その日だけは、他の用事も一切関係なしで、私だけを見ていて欲しい──
あえて言葉にはしないけれど。そんな願いも抱きながら、桜はしばらく手を繋いでいた。

 そして、週末。全然行ったことのない、的外れでありきたりなデートスポットよりも。
何度も通った地元の場で、様々な思い出が転がる縁に、二人はその都度 感慨を深めてゆく。
 ひとつ、またひとつと小さな家具が増えていく度に、りんねと桜の笑い声も、互いの部屋
に満ちていくのだった。

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